二学期が始まって、新しい生徒が来る。
そして、受験学年は、いよいよ受験に向けて走り出す。
これから、年末まで、受験に向かってまっしぐらである。
で、三年生の生徒とこの間話す機会があった。
その生徒どうもちょとニヒリズムなところがあって、
「努力しても意味が無い」というようなことを
考えているような気がしていたので、
いろいろと聞いてみた。
そしたら、案の定だった。
彼いわく、
「人間は平等で、どうせみんな死ぬ。だから、意味が無い」と。
あらあら、いきなりそこかよ。
まあ、これに答えるのは、最終的には霊的人生観を語ることに
なるのだが、それでは、あんまりなので、
まず、「平等と
公平」の違いについて、話をした。
「平等とは
チャンスの平等であって、結果は努力したことに
公平に現れる」と。
これが、最初、腑に落ちなくて、納得してないみたいだった。
だから、アメリカでは、
チャンスの平等で、結果は違うと
いう話をしたら、どうやら腑に落ちたらしくて、
「だから、努力する意味があるんか」といっていた。
あらあら、それじゃ、受験勉強とか苦痛以外の何者でもないよね。
これ以外でも、結構学校で蔓延している
悪平等主義は、
生徒を苦しめている。
実際には、この世の中は結構「
公平」な世の中で、
実力のないものは淘汰され、価値のあるものだけが残る。
そして、それを生み出す底力は、「努力を重ねる」ことだ。
しかし、平等だけが強調されると、そういう努力の意味を
奪ってしまう。
だって、してもしなくても「平等」なんだから。
平等は、「
チャンスの平等」であって「結果の平等」ではない。
そして、平等な社会は、実は、圧迫された世界でもある。
現代社会のテーゼでもある「自由」と「平等」は実は矛盾する。
自由な社会は、当然、差が生まれる社会である。
努力するものとしないものには、当然差が生まれる。
これは、平等な社会ではない。
逆に、平等な社会では自由は失われる。
なぜなら、みんなが平等に同じことしなければならないから。
今までの日本の教育は実はこの「平等教育」をしてきた。
そして、今の基本理念もこの平等教育である。
しかし、「
ゆとり教育」の本当の目的は、
「自由教育」であり、「差を生む教育」であることは、
結構知られていない。
教心ネットというネットから発行されている、
『
教育のホントがよくわかる本』というのは、
本当に、よく分かる本なのだが、
その中に、
ゆとり教育を推進した時の
教育課程審議会の
三浦朱門氏の発言が載ってる。
これが、孫引きなので、原典にあたってないので、
ちょっと気が引けるのだが、
おそらく、これ自体は、当時の推進派の本音だと思うので、知っておいたほうがいいだろう。
以下。
「学力低下はは予測しうる不安というか、
覚悟しながら教課審をやっておりました。
いや、逆に平均学力が下がらないようでは、
これからの日本はどうにもならんということです。
つまり、できん者はできんままで結構。
戦後五十年、落ちこぼれの底辺をあげる事にばかり注いできた
労力を、できるものを限りなく伸ばすことに振り向ける。
百人に一人でいい、やがて彼らが国を引っ張って生きます。
限りなくできない非才、無才には、
せめて実直なる精神だけを養っておいてもらえばいいんです。
今まで、中以上の生徒を放置しすぎた。
中以下なら”どうせ俺なんか」で住むところが、
なまじ、中以上は考える分だけ切れてしまう。
(中略)
平均学力が高いのは、遅れている国が、近代国家に追いつき
追い越せと国民の尻をたたいた結果ですよ。
国際比較をすれば、アメリカやヨーロッパはの点数は低いけれど、すごいリーダーも出てくる。
日本もそういう先進国型になっていかなくてはなりません。
それが”
ゆとり教育”の目的。
エリート教育とは言いにくい時代だから、
回りくどくいっただけの話だ。」
『
教育のホントがよくわかる本』P40より
まあ、彼の言うことに目くじらを立てるつもりはない。
言っていることは、的を得ているところもあるから。
ただ、
「できん者はできんままで結構」
「限りなくできない非才、無才には、
せめて実直なる精神だけを養っておいてもらえばいいんです。」
と思われているところが、「学校教育」の本音であり、
「エリート教育」を現実に担っているところが、
塾や私立中学なのだろう。
久留米附設なんかは、中一で、中三の内容を数学でやっている。
そして、それができてしまう子達ばかりである。
そういう二つの流れが教育には現在あることを、
知っておかなければいけないと思う。
現代ほど、教育問題が魑魅魍魎としている時代はない。
表と裏が交錯しすぎてよく分からないところがある。
でも、原点はシンプルなのだ。
「勉強することはいいことか悪いことか」
その答えが、すべての答えにつながっている。
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