先日、夏期講習を小6の非受験のクラスで受けた生徒から電話がかかってきた。
福岡女学院を受けたいという。
おかあさんいわく
「自分もそこの出身だし、よくわかっている。今からでも通る」といわれた。
うーん。これが実は一番困る電話である。
「自分たちの受験」で、今の受験を考えているのである。
たとえば、前述の福岡女学院だが、確かに偏差値的にはそれほど高くない。
しかし、最近、ゆとり教育の反動で、
「しっかりした教育」をしている学校に人気が集まり、
「長い伝統のある学校」を見直す動きがある。
その中で、「長い歴史の中で、確実に教育を行ってきた」福岡女学院は、
実はだんだん、レベルを上げつつある。
年々通りにくくなっているのだ。
以前は、申し訳ないが、
「福女なら、大丈夫ですよ」といっていた時期もある。
実際に、それほどの難問が出るわけではない。
しかし、最近、そうでもない。
昨年は、問題が難しくなったし、合格のボーダーも上がっている。
この現象は、男子校では「泰星中」でも起こっている。
同じ様な話で、「西南学院」の話がある。
私たちの世代であれは「西南」「大濠」と言えば、
「公立高校の滑り止め」というのが一般のイメージだろう。
しかし、現在では、まったく違う。
西南学院は、「西南学院中学の共学化による急激な人気度アップ」により、
引っ張られて、高校もかなりレベルが上がっている。
「西南学院中」は、福岡県の中学入試のトップ(附設を除く)であり、
「西南学院高」は、
いまや公立トップ高に通る生徒でも落ちるようなレベルになっている。
滑り止めにはとてもできない。
この「私立中の成功による劇的な人気度アップ」によるレベルのアップが、
なかなか、外からはわかりにくいようだ。
昨年から、劇的に難易度が上がったのが、
「福岡教育大学附属中」。
五科目になったことと、抽選がなくなったことで、難易度が劇的にアップし、
西南に通るメンバーが落ちるようになってきた。
こういう「難易度の変化」は、年々のものである。
だから、「自分たちのころの受験」を基準にしてはいけないのだ。
ところで、私立中受験をするには、どのくらいから塾に行くべきなのだろうか。
この質問を塾にすると、おそらく「早ければ早いほうがいい」と言うだろう。
なんせ、「青田買い」は早いほうがいい。
しかし、このことにきちんと答えてくれる塾は「誠実」な塾であるといえる。
中学受験をするとき、塾にいくタイミングは、
(1)小4カリキュラムの立ち上がり(小3の2月頃)
(2)小4夏期講習
(3)小4冬期講習
(4)小5カリキュラムの立ち上がり(小4の2月頃)
(5)小5夏期講習
(6)小5冬期講習
(7)小6カリキュラムの立ち上がり(小5の2月頃)
(8)小6夏期講習
これくらいが選択肢になるだろう。
この中で、「4月」という選択肢がないことを注目してほしい。
中学入試は、基本的に、1月に実施される(福岡県の場合)
なので、ほんとどの塾は、前の学年が受験が終わった段階で、
下の学年のカリキュラムを、次の学年へと切り替えているのだ。
だから、4月に入塾すると、
他の生徒が、何ヶ月か先にはじめたカリキュラムを
追いかけることになる。
結構、それはハンデになると思う。
自分が、一番お勧めするのは、可能であれば
(2)小4の夏期講習
次が、
(4)小5カリキュラムの立ち上がり
であり、一番遅くても、
(5)小5の夏期講習
までに来ておいてほしいというのが本音である。
「受験は小4から」と言われるが、小4のはじめから来る必要はない。
小4の一学期の内容は、それほど難しくない。
そして、基本的に夏休みは、
「前の学期の復習」というのが基本だ。
だから、ここからくれば、
一学期分の内容も網羅できて、スムーズに
中学入試のカリキュラムに入れる。
そして、受験するのに欠かせない学年が、「小5」である。
以前であれば、学校の小5と中学の受験の小5には、
それほど差がなかったのかもしれない。
しかし、今の学校カリキュラムでは、
「通分」や「速さ」を行うじきが遅すぎる。
中学入試において、この二つは「基本」であるにもかかわらず、小5の最後の方
速さにいたっては、小6で習う。
これでは、中学入試には太刀打ちできない。
「小5を、塾で過ごせるか」
これが中学入試の大きなポイントであるといえる。
そして、正直申し上げて、受験の最後のタイミングは、小5の夏だろうと思う。
基本的に中学入試のカリキュラムは、小6からでは、無理だろう。
小6の一学期は、カリキュラムの最後の仕上げをする。
つまり、「一番難しいところ」を、やっている。
そして、夏期講習で、受験に向けての体勢をとっていくのである。
なので、小6の4月から塾に行くのはやめたほうがいい。
おそらく、まったく算数は、まったくわからないだろうと思う。
そして、最後の裏業として、小6の夏期講習がある。
正直、難関中でなければ、ここに来てくれていれば、なんとかなる。
受験に向けての総復習が夏から始まるので、
ここから授業を受けるほうが、四月に受けるよりいい場合もある。
簡単なところから、ときなおしていくので、ついていきやすいかもしれない。
いろいろと述べたが、原点は「知っている」ということである。
中学入試のカリキュラムは、独特である。
そのことを「知っている」ということが、大事だということだ。
『伊雲の塾講日記』(ID:0000231728)
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